ギャンブルをやめて1年が経ちました。
今振り返ると、ただ「やめる」と決意するだけでは足りず、生活の中に新しい習慣を取り入れることが重要だったと実感しています。
この記事では、僕が実際に取り入れて効果を実感した習慣を5つ紹介し、それぞれの理由や背景を解説します。
また、記事後半では「断ギャンブル初期にあるあるな落とし穴チェックリスト」や、回復に役立った書籍の紹介もします。
僕の体験談はこちらから

ギャンブルをやめ続けるために必要なこと
ギャンブル依存症は、「意志の問題」ではなく「脳の病気」と言われています。
脳の報酬系(ドーパミン系)が過敏になり、自制が効きにくくなっているのです。
そのため、「やめよう」と決意するだけでは不十分で、「ギャンブルに代わる行動」や「感情を吐き出す場所」をつくることがとても大切でした。
効果を実感した習慣ベスト5
僕自身がこの1年ギャンブルから離れ続けるためにした行動で、効果があると感じているのは以下の5つです。
- 自助グループ(GA)への参加
- 日記・棚卸しノート
- 早寝早起きの生活
- 軽い運動
- 信頼できる人に話す
それぞれ詳しく解説していきます。
自助グループ(GA)への定期的な参加
仲間と話すことで、孤独感が薄れました。
また、自分の話を聞いてもらい、他人の話に耳を傾けることで、考え方が整理され、「もうギャンブルをしていた頃の生活に戻りたくない」という思いを忘れないようになりました。
GAのミーティングは、まさに心のジムです。
日記・棚卸しノート
感情を書き出すことで、自分の思考パターンや衝動の原因に気付けました。
最初はネガティブなことばかりでしたが、続けていくうちに、変化が見えるようになり、今はその日あったポジティブなことを書き出すようにしています。
また、その日1日のギャンブル衝動に応じて、色付きのシール(全く衝動がなければ「青」、衝動はあったがやらなかったら「黄」、やってしまったら「赤」)をカレンダーに毎日貼ることも、やめ始めた初期段階では効果があったと感じています。
早寝早起きの生活リズム
夜更かししないようにスマホを寝室に持ち込まないようにし、寝る前には読書をするようになりました。
これにより、朝早く起きられるようになり、出勤前の時間を使って資格の勉強や散歩をする余裕が生まれました。
なお、規則正しい生活は脳の前頭葉の働きを整え、衝動をコントロールしやすくするという研究結果もあります。
軽い運動(散歩など)
毎朝の散歩を習慣にしただけで、気分が落ちにくくなりました。
身体を動かすことで、セロトニンが分泌され、メンタルが安定しやすくなると言われています。
信頼できる人に話す
支援者や家族、GAの仲間など、「話しても大丈夫」と思える相手に、自分の気持ちや現状を共有できるようになってから、一人で抱え込んで孤立することが減りました。
特にギャンブル依存症になると認知が歪み、「ギャンブルで勝てばなんとかなる」といった偏った考えに囚われてしまうため、冷静な第三者にアドバイスをもらうことで、状況が悪化してしまうことを防ぐことができます。
✅ 断ギャンブル初期の「つまずき」チェックリスト
こんなことが思い当たる方は、早めに対処しておくことをオススメします。
- 「ちょっとだけなら大丈夫」と思ってしまう
- ひとりの時間が長い
- 感情を我慢しすぎている
- SNSや動画に依存している
- お金の使い方が雑になる
- 相談できる人がいない
- ギャンブルに代わる楽しみがない
- 生活リズムが乱れている
- 過去の後悔ばかり考えてしまう
- 「自分だけは大丈夫」と思ってしまう
📚 回復に役立った書籍紹介
以下の本は、僕にとって回復の手助けとなりました。
📖『アルコホーリクス・アノニマス』
僕が断ギャンブルの中で出会い、回復に大きな影響を受けた本が『アルコホーリクス・アノニマス』、通称「ビッグブック」です。
この本はアルコール依存症者のために書かれた体験談と回復の指針ですが、あらゆる依存症に通じる内容が詰まっており、ギャンブル依存症者にも非常に参考になります。
GAでは、この本の12ステップに基づいて回復プログラムを進めていきます。読み進める中で、「これはまさに自分のことだ」と思うような体験談や、「どうやって依存から抜け出したのか」といった実践的な道筋が書かれており、希望と勇気をもらえる一冊です。
📖『ギャンブル脳』帚木蓬生 著
精神科医としてギャンブル依存症の治療に取り組み、作家でもある帚木蓬生さんが書いた本です。
ギャンブル依存症がどのような病気であるのかを、精神科医の視点から解説してくれています。当事者や家族の苦しみを間近に見てきた医師だからこそ、ギャンブル依存症がいかに恐ろしい病気であるかが語られています。
もし治療をやめてしまったら、いつかは自分もこうなってしまうかもしれないと思うような恐ろしい事例が紹介されており、心からギャンブル依存症に向き合おうと思えた一冊です。
新しい趣味を始めただけではギャンブルはやめられない
断ギャンブルのアドバイスとして、「新しい趣味を見つけましょう」という言葉をよく耳にします。確かにこれは間違いではありませんが、ギャンブル依存症者にとっては、決してそれだけで回復できるものではありません。
僕自身、ギャンブルをやめようと決意した当初、ニンテンドーSwitchを買ったり、動画配信サイトを契約したり、無理やり「趣味になりそうなこと」に取り組んでみましたが、パチンコやオンカジには勝てず、結局またギャンブルに戻ってしまいました。
今振り返ると、ギャンブルで脳の報酬系が壊れたいた状態では、他の刺激では満足できなかったのだと思います。
重要なのは、まず「ギャンブル依存症の治療・回復」に取り組むことです。自助グループでの12ステッププログラムを通して、少しずつ回復が進むと、あるときふと、「趣味が楽しい」「なんだか嬉しい」と感じられる瞬間がやっってきます。
この感覚が戻って初めて、新しい趣味も「ギャンブルの代わり」ではなく、「自分の人生を楽しむための選択肢」になります。
まとめ:習慣が未来をつくる
「ギャンブルをやめる」だけでは空白になってしまう。でも、「新しい習慣」を積み重ねることで、その空白が少しずつ埋まり、やがて人生が再構築されていく。1年断ギャンブルを続けた今、そう実感しています。

コメント