「やめたいのにやめられない」「なんでこんなことをしてしまうんだろう」
これは、意志が弱いからなのでしょうか?
答えは「NO」です。
ギャンブル依存症は「意志の問題」ではなく、脳と行動に関係する「病気」です。
僕自身もギャンブルの借金で離婚をし、幼い娘と離ればなれになりました。

「もう2度とギャンブルはしない!」と誓いましたが、その後もギャンブルを止めることはできず、自己破産に至っています。
「自分は本当にダメな人間だ・・・」
「あんなに周りに迷惑を掛けたのに、同じ事を繰り返してしまった・・・」
自分自身がイヤになりましたが、病気であると分かり、少し気分が楽になりました。
この記事では、最新の医学的知見や専門家の意見をもとに、ギャンブル依存症の本当の姿をわかりやすく解説します。
ギャンブル依存症は「依存症」という病気
ギャンブル依存症(現在は「ギャンブル障害」とも呼ばれます)は、WHO(世界保健機関)でも正式に認定された疾患です。
国際疾病分類(ICD-11)でも、「病的賭博(pathological gambling)」は精神および行動の障害の一種として分類されています。
日本でも2013年、厚生労働省の研究班が「依存症は、意思や性格の問題ではなく、脳機能の障害に起因する病気である」と明記しました。
脳に何が起きているのか?

ギャンブルを繰り返すことで、脳の報酬系に異常が起こります。
特に関係するのは「ドーパミン」という神経伝達物質です。
• 初めて勝った時の快感が脳に強く記憶される
• 「また勝ちたい」という思考が強化される
• 負けてもやめられなくなる(いわゆる「損失回避」のループ)
脳の報酬系が過剰に刺激され続けることで、「依存状態」が形成されていきます。
これは、覚せい剤やアルコール依存と同様のメカニズムです。
意志では止められない理由
「やめたくてもやめられない」のは、自己コントロール機能を担う「前頭前野」が弱まっているからです。
専門家の見解によると、依存症の人の脳では、衝動を抑制する力が低下していることが、脳の画像診断で確認されています。
つまり、「止められない」のではなく、「止まらなくなる脳の状態に陥っている」のです。
家族も「甘え」だと思わないで
当事者に対して「どうしてやめられないの?」「自分に甘いんじゃないの?」という言葉を投げかけてしまうことがあります。
しかしこれは、本人の自尊心を傷つけ、さらに孤立を深めてしまう原因になります。
ギャンブル依存症の人は、自分自身でも「こんな自分が嫌だ」「やめたい」と思っていることがほとんどです。
責めるのではなく、まずは「病気かもしれない」という視点で接してみてください。
回復の第一歩は「自分を責めないこと」
ギャンブル依存症は、治療と回復の可能な病気です。
• 専門の医療機関に相談する(各都道府県の精神保健福祉センターや依存症外来があるクリニック)
• 自助グループ(GAなど)に参加する
• 家族が支援機関や専門家に相談する
これらのステップを踏むことで、少しずつ依存からの回復が可能になります。
「病気である」と理解することが、回復の第一歩です。
こちらからご相談いただければ、専門機関に繋げることもできます。
おわりに:あなたのせいじゃない
ギャンブル依存症は「意志の弱さ」ではありません。
脳と行動の変化によって引き起こされる、れっきとした「病気」です。
当事者の方も、ご家族も、自分を責めず、必要な支援に繋がってください。
きっと、回復の道は開けます。
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